会話中や飲食中など人前で突然しゃっくりが出て、しばらく止まらなくなった経験はありませんか?
無理に押し殺そうとしても一向に止まる気配がなかったり、よけいに音が大きくなってしまったという恥ずかしい体験をした方もいるのではないでしょうか?
突然のしゃっくりにあわてないためにも、しゃっくりが起きる原因と効果的な止め方をチェックしておきましょう。
しゃっくりはなぜおこる?
しゃっくりは横隔膜がけいれんすることで起こります。横隔膜がけいれんすると声帯の筋肉が収縮し、細くなった声帯のあいだを呼気が通ろうとして「ヒック!」といった音が出ると考えられています。
しかも、横隔膜のけいれんは「不随意運動」といって、自分で止めようと思っても止められないため、意思に反してしゃっくりが出続けてしまうのです。
なぜ、そのような現象が起こるのでしょうか? しゃっくりが起きる原因はさまざまありますが、大きくわけると一般的なしゃっくりと病気が起因しているしゃっくりとの2種類があります。ここでは一般的なしゃくりの原因を探ってみました。
早食い・大食い・過度な飲酒
早食いや食べ過ぎをすると、胃が急にふくらんで横隔膜を刺激します。急性胃拡張のような状態になると横隔膜のけいれんを招き、しゃっくりがおこりやすくなります。
また、アルコールをとりすぎても、急性胃拡張になってしゃっくりが出やすくなります。アルコールが中枢神経を刺激して起こる場合もあります。
その他、急に冷えたビールなどを飲むのも横隔膜にけいれんを起こしやすくさせる原因となります。
炭酸飲料・刺激の強い食べ物
炭酸飲料は冷たい状態で飲むことがほとんどですが、それも横隔膜の刺激の原因となります。炭酸の刺激が喉を通るときに舌咽神経を刺激して、しゃっくりを引き起こすともいわれます。さらに、炭酸ガスで胃が拡張して起こる場合もあります。
また、冷たいものや熱いもの、香辛料などの刺激の強いものを食べた時にも、しゃっくりがおきることがあります。これも横隔膜を刺激するために起きています。
たばこ
喫煙も横隔膜を刺激して、けいれんをおこさせる原因になります。とくに空調の効いた室内や冬の外気など寒い場所で喫煙すると、よけいに横隔膜に刺激を与えてしまいます。
笑ったり、驚いた時
笑う時に横隔膜を刺激しやすいタイプの人もいます。そういう人が大笑いをしたり、笑いが止まらなくなったりすると、しゃっくりを引きおこします。
また、人は急に驚くと瞬間的に神経が刺激されて、横隔膜まで伝わってしまうことがあります。その時に横隔膜がけいれんしてしゃっくりが止まらなくなることがあります。
ストレス
ストレスからくる逆流性胃腸炎や心因性のしゃっくりもあります。逆流性胃腸炎は食道の粘膜に炎症がおこり、しゃっくりが発生すると考えられています。
また、心因性のしゃっくりの場合は神経の一部が緊張して、しゃっくりがおこります。
民間療法でトライ!しゃっくりの止め方9つ
一般的なしゃっくりの場合、さまざまな止め方が民間療法として伝わっていますね。
数ある中から、効果の高そうな方法をピックアップしてみました。しゃっくりが出た時に試してみて、自分にあった方法をみつけてください。
1.息を止める
まず、ゆっくりと10秒くらいかけて息を大きく吸い、そのまま15秒間くらい息を止めます。そして、ゆっくりと10秒くらいかけて息を吐きます。
これを何回か繰り返しましょう。体内の二酸化炭素濃度が上がり、しゃっくりが止まるといわれています。
2.コップの水を反対側から飲む
コップの水を手前からではなく反対側から飲んでください。かなり飲みづらいですが、そうすることで上半身がコップにおおいかぶさるような姿勢になり、脳から腹部まで達している迷走神経に刺激を与えてしゃっくりがおさまるそうです。
3.舌を引っ張る
すべらないようにガーゼやハンカチなどで舌をつかみ、10~30秒ほど引っ張ります。やや痛いくらいがいいようです。脳神経のひとつである舌咽神経に刺激を与えて、しゃっくりを止めると考えられています。
4.両耳に指を突っ込む
両耳に人差し指を突っ込み、30秒~1分間ほどそのままの状態をキープ。周囲の声が聞こえない状態にしましょう。この方法も2と同様に、迷走神経に刺激を与えてしゃっくりを止めます。
5.紙袋で呼吸する
紙製の袋を鼻と口をおおうようにして顔につけ、その状態で5分ほど呼吸してください。1の方法同様に、体内の二酸化炭素濃度が上がってしゃっくりがおさまるといわれています。ただ、ビニール袋は窒息する恐れがあるので絶対に使用しないでくださいね。
6.スプーン1杯の砂糖を食べる
茶さじ大盛り1杯分の砂糖を喉の奥の方に放り投げるようにして食べると、不思議としゃっくりが止まるといわれます。
また、砂糖を入れて甘くした冷たい水を一気に飲み干すのも効果があるようです。スポーツ飲料など甘い飲みものでも代用できます。末梢神経に刺激を与えて横隔膜のけいれんをストップさせると考えられています。
7.温かいものを飲む
温かい飲みものをゆっくりと飲むと血管が拡張して末梢神経の流れが良くなり、横隔膜のけいれんを止めることができるといわれています。とくにタバコが原因のしゃっくりやストレスによるしゃっくりに効果が高いそうです。
8.酸っぱいものを飲む
レモン果汁やお酢などすっぱいものを飲むのも効果があるといわれます。量は大人でおちょこ1杯分くらい、子供で茶さじ1杯分くらいをメドに。
あるいはコップ1杯の水に混ぜて一気に飲み干すのもいいようです。この方法も迷走神経に刺激を与えることで、しゃっくりが止まると考えられています。
9.ツボ押し
しゃっくりに効くツボを押す方法です。
天突(てんとつ)
左右の鎖骨の真ん中のくぼんでいる場所を、ゆっくりと3秒ほど押して離すを繰り返します。
気舎(きしゃ)
左右の鎖骨の上の部分を両指でゆっくりとやさしく押します。
巨闕(こけつ)
おヘソの真上、みぞおちから指2本分下の部分を4本の指を使ってやさしく押し込みます。
しゃっくりが48時間以上続くなら要注意!
ここまで、いわゆる一般的なしゃくりの原因と止め方をご紹介しました。しゃっくりには病気が原因の場合もあります。
主な病気は、脳腫瘍、脳卒中、アルコール依存症、肺炎、気管支喘息、胃がん、食道がん、逆流性食道炎、チック症などが考えられるそうです。
もし、しゃっくりが48時間以上続くようでしたら、なんらかの病気が原因かもしれません。その場合は早めに内科を受診しましょう。
また、日頃ごろの生活の中でしゃっくりを防止することもできます。暴飲暴食をやめ、食事はゆっくりと味わって適量を食べることを心がけましょう。ほかにも、腹式呼吸で横隔膜を鍛えるのも効果的ですよ。
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