手首の痛みや腫れで悩んでいませんか? スマホやパソコンの使いすぎなどで手首が痛くなることはありますが、数日すれば治ることがほどんどです。
しかし、手首の痛みや腫れがなかなか治らないなら、手首の病気かもしれません。「腱鞘炎が長引いているのかな…」と放っておくと、痛みが悪化して日常生活が困難になることもあります。
手首の痛みや腫れを伴う重大な病気の可能性もあるので、その原因になる病気をしっかりチェックして適切に対処しましょう。
手の使いすぎや妊婦に多い?「ド・ケルバン病」
手首の親指側が痛むようであれば、ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎・きょうさくせいけんしょうえん)と呼ばれる手首の腱鞘炎かもしれません。
画像引用:やすらぎ整骨院
「物を持とうとすると手首が痛い」「指が腫れる」といった症状が一般的で、「ペンを握っただけでも痛みを感じる」という場合も。
ド・ケルバン病になる原因は手の使いすぎです。パソコンやスマホをよく使う人やスポーツ選手、ミュージシャンなど指をよく使う人がなりやすいといわれています。
その中には出産後の女性も含まれます。育児のため赤ちゃんを抱っこしたり、オムツを替えたりなど、指や手首を使う動作が増えるためです。
意外なのは出産前の妊娠中の女性や、更年期にあたる50代の女性も突出して多いということ。これはホルモンバランスの変化が原因で手首の腱鞘に炎症を起こすと考えられています。いずれも、早めの受診をおすすめします。
スポーツやケガなどで発症する「TFCC損傷」
手首の小指側が痛むようなら、TFCC損傷が疑われます。水道の蛇口やドアノブをひねるとき、ペットボトルのフタを開けるときなどに痛みが走るのが特徴です。
TFCCとは日本語で「三角線維軟骨複合体」といい、手首の軟骨周辺の靭帯の総称です。これらの靭帯が骨どうしをつなぎとめて、クッションのように手首の安定性を保っています。この部分に亀裂などが生じることを「TFCC損傷」と呼んでいるのです。
画像引用:SMCスポーツ医学&メンタルコーチング
TFCC損傷には慢性と急性があります。慢性はテニスや野球、ゴルフなど手首をよく使うスポーツをしている人が発症します。急性は、転倒して手をついてしまったり、バイクや自転車の転倒や交通事故などで手首に負荷がかかって引き起こします。
TFCC損傷はそのまま痛みがひいてしまうこともありますが、再び痛み出したり、損傷がほかの関節に広がっていることもありますので、発症したら必ず医療機関を受診しましょう。
女性に多いけれど原因は不明!?「関節リウマチ」
手がこわばったり、ある日突然手首が腫れて激しい痛みが出た、といった症状があるなら関節リウマチが考えられます。
30~40代の女性に多く発症しますが、原因はハッキリとわかってはいません。ただ、関節リウマチは膠原病(こうげんびょう)の一種で、体の免疫システムの異常によって起こるとされています。
発症すると骨や関節、筋肉などに炎症が起こり、痛みや腫れをともないます。進行すると骨や関節などの組織が破壊されて変形し、動かせなくなってしまうことも。関節リウマチは、初期の段階では自覚症状が出ないことも多く、腱鞘炎などの他の病気と間違えてしまう場合もあるそうです。
画像引用:MY介護の広場
もし、捻挫や打撲などの心あたりがないにもかかわらず、手首が腫れたり痛んだりしたら要注意です。関節リウマチは左右対称に腫れが現れることが多く、同時に指の関節も赤く腫れることが多いようです。
また関節リウマチは、朝起きて1~2時間ほど手がこわばって握ることができない、といった初期症状があります。放っておくと、いずれは全身に広がっていきますので一刻も早く受診してください。
大きなコブもできる!?「ガングリオン」
「突然、手首にコブのようなものができけど痛くない…」という場合はガングリオンかもしれません。
「ガングリオン」という響きから、なにやら怖そうな病気に思えますが、実は悪性ではなく、いつの間にか治ってしまう場合がほとんどです。
画像引用:日本整形外科学会
ガングリオンのコブ(腫瘍)は米粒大から大きいものはピンポン玉くらいまであり、柔らかいものから硬いものまでと、形状もまちまちです。
痛みはないと書きましたが、神経の近くにできた場合はシビレや痛みなどを感じることもあります。ガングリオンもまた、若い女性に発症しやすいといわれますが、原因はまだ解明されていません。
ガングリオンの腫瘍は自然消滅することが多いのですが、やはり素人判断は危険です。医療機関では腫瘍に注射器を刺して吸引し、ゼリー状の内容物が出てはじめてガングリオンと診断します。まずは皮膚科や整形外科を受診しましょう。
悪化すると手首の骨が壊死!?「キーンベック病」
キーンベック病は、おもに利き手の手首に激しい痛みや腫れが起きる病気です。とくに手首を反らした時に痛んだり、進行とともに握力が衰えていきます。
別名「月状骨軟化症(げつじょうこつなんかしょう)」といい、手関節にある月状骨という骨がつぶれて発症します。月状骨は軟骨に囲まれているため損傷すると血流障害を起こしやすく、壊死しやすいといわれます。
画像引用:ナースフル
キーンベック病もまた原因は解明されていませんが、職人さんや大工さん、スポーツ選手など手を使うことの多い職業の人がかかりやすいといわれています。働き盛りの男性に多い病気ですが、家事などで手首をよく使う女性も発症することがあります。
キーンベック病は自然に回復することはなく、悪化すると手首の骨が壊死してしまうため、必ず医療機関での治療が必要です。
日常生活に支障をきたさないためにも、早期発見が大切!
手首の痛みや腫れの原因は、ここにご紹介した以外にもたくさんあるようです。なぜなら手首の関節はとても複雑だからです。
痛みや腫れが軽いからといって見過ごしていると、病状が進行して日常生活に支障をきたしてしまう場合も。
もし1~2週間たっても痛みや腫れが消えないようでしたら、まずは医療機関で検査を受けましょう。当たり前ですが、早期発見こそが早期回復の一番のカギですね。
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