今や知らない人がいないほど広く知れ渡った認知症。人の名前や買い物で買うはずのものを忘れるなど「物忘れ」の症状が代表として挙げられます。
しかし、若いうちでも何かを忘れた経験がある人は多いはずです。通常の物忘れと認知症の物忘れでは何が違うのでしょうか。
今回は、認知症の気になる初期症状をご紹介します。
認知症かも…?チェックしたい初期症状6つ
高齢化が進む日本では、自分や家族が直面するかもしれない症状です。確認しておきたい認知症の初期症状は以下の6つ。詳しくご説明します。
初期症状1:今日、何年何月何日、何曜日?
今日は、何年の何月何日、加えて何曜日まで、スラスラ言えますか? 全部答えられた人は何も問題ありませんが、認知症を発症している場合、言えない人が多くなります。
併せて、自分が何歳なのか答えられるかも確認しましょう。自分の歳を数えられないとなると、認知症の疑いが濃くなります。
初期症状2:今、どこにいる?
現在、自分が家にいるのか、病院にいるのか、どこの場所にいるのか分からなくなってしまうのも認知症の症状の一つです。
自分の周りの状態や、環境の変化を感じているか、この点が重要なチェックポイントとなります。
初期症状3:通い慣れた道で迷う
毎日のように通っている道なのに、ふと帰り道が分からなくなり、迷ってしまったことはありますか? 認知症の場合、突然まるで初めて通る道のように、右も左も分からなくなってしまうのです。
これは、通っていた体験を丸ごと忘れてしまうからです。ひどい時には自分の家の前にいるにも関わらず、自分の家だと認識できなくなってしまいます。
初期症状4:使い慣れたものが使えない
認知症を発症すると、ずっと使ってきたはずの携帯電話の使い方が分からなくなったり、毎日使っている洗濯機の使い方が分からなくなったりします。
ほかにも、長年作ってきたはずの料理の手順を忘れるなど、物事自体に関する記憶がすっぽり抜け落ちている状態になります。
初期症状5:無い、盗られたと感じる
例えば、通常の物忘れの場合だと、「通帳を確かにしまったはずだけれど、どこにしまったのか思い出せない」という状態で、しまったこと自体は覚えているものです。
しかし、認知症の場合、「通帳がない、盗られたに違いない」と感じてしまいます。しまったことや場所もすっかり記憶から抜け落ちてしまい、盗られたという概念にとらわれてしまうのです。
他にも、ご飯を食べたはずなのに、食べたこと自体を忘れ、ごはんが無かったと言い出す例もよくあります。
あるべきものが無い、または盗られたと感じることで、家族や身近な人とのトラブルが発生する頻度が高くなるのも見逃し難い事実なのです。
初期症状6:知っている野菜の名前を複数言えない
認知症の診断テストで、1分間に知っている野菜の名前を出来るだけ多く挙げなさいという設問があります。
野菜の時もあれば、動物の時もありますが、通常であれば10個から15個は簡単に言えるものです。5個以上言えない場合は、流暢に言語を紡ぎだせなくなっていると判断できます。
認知症かもと思ったら
どれか一つに当てはまったからと言って、すぐに認知症と診断されるわけではありません。
しかし、自分や家族の発言・行動で当てはまるものが多いと感じた場合は、専門医に相談して認知症のテストを受けることをおすすめします。
「自分は絶対認知症ではないから病院など行かない」と頑なになったりせず、現状を把握するための健康診断のようなものだと思いましょう。治る物忘れもあるので、早めの受診が大切です。
家族を病院に連れて行く時の注意点!
認知症の疑いがある家族が頑なな態度を取ったりしたとき、騙して病院に連れていくと、あとあと家族間の信頼を失うことになってしまいます。
物忘れの例を挙げ、家族一同心配であることを告げて、「治るように早く受診しよう」と自分の気持ちを伝えてあげましょう。
認知症の人との付き合いは、心身を疲弊させます。一人で頑張ろうとせず、役所や周りの人に相談し、一番いい方法を取るように心がけましょう。
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