風邪をひいたときに、息ができないほど鼻がつまったり、鼻水が止まらなかったり・・・厄介な鼻水に悩まされた経験は誰しもあるでしょう。
風邪のときの酷い鼻水と、寒いときに垂れてくるような鼻水が、なんとなく違うことはみなさんご存知のはず。このような鼻水の色や状態の違いで、実は、多くのことが分かります。
自分の状態をいち早く察知するために、鼻水の状態で分かる症状を覚えておきましょう。
鼻水のメカニズムと色や状態による症状の違い
鼻水は、常に体の中で作られ続けているのをご存知でしょうか。
鼻腺毛の働きにより自動的に喉へと流されているため、私たちは鼻水が作られていることにあまり気が付きませんよね。
その鼻水が、鼻腺毛の働きで流せる量を超えると、鼻の入口へと流れ出てきます。ここで初めて鼻水に気が付くわけです。
流れ出てきた鼻水には、大きく分けて3つの状態があります。「サラサラとして透明な鼻水」「少し粘つきがある薄い色の鼻水」「粘り気が強い濃い色の鼻水」です。
サラサラとして透明な鼻水
漿液性鼻漏(しょうえきせいびろう)と言われ、水のようにサラサラとしていて透明で、俗にいう「みずっぱな」です。
鼻の粘膜が、刺激やアレルゲンに反応することで流れ出ます。風邪のひき始めにも、サラサラとした透明の鼻水が出ますので、風邪のサインにもなります。
少し粘つきがある薄い色の鼻水
粘液性鼻漏(ねんえきせいびろう)と言われ、少し粘り気が出た鼻水を指します。色は、白く濁ったものから、薄い黄色までで、俗にいう「あおっぱな」。
色が付く原因は、呼吸によって吸い込まれたウィルスや細菌と戦って死んだ白血球や免疫細胞、つまり膿です。
風邪のひき始めにサラサラだった鼻水が、少し粘つきのある鼻水に変わっていくことがほとんどで、免疫細胞が活発に交戦中である印です。
ウィルスを外に流し出すための生体防御反応ですので、鼻をかんできちんと体外に排出することが大切です。
また、鼻をかむときは、片方ずつ徐々にかんでいきましょう。
前述したとおり、鼻水は常に作られているものですので、いくらかんでも止まることはありません。溢れ出てくる鼻水を、その都度きちんと出してやることがポイントなのです。
この時、体をしっかりと休めることができれば、風邪の症状も鼻水も収束していきますが、無理をして働いたり、ウィルスが強くて負けてしまったりすると、症状は悪化します。
悪化すると、薄い色だった鼻水は濃くなっていきます。
粘り気が強い濃い色の鼻水
膿性鼻漏(のうせいびろう)と言われ、濃い黄色や黄緑色、緑色をしています。「あおっぱな」の酷い状態ですね。
ウィルスが強く体の免疫細胞が押し負けている、または、細菌感染している可能性があります。副鼻腔など、鼻水の生産元が炎症を起こしている可能性もあり、放っておくと蓄膿症にまで繋がってしまいます。
- あまりにも鼻水が出る
- ドロっとした鼻水で鼻の奥がツーンと匂う
- 風邪の症状が治っているのに鼻水が止まらない
といった時には早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
もちろん、風邪のひき始めで病院にかかり、副鼻腔炎や蓄膿症の予防的に鼻水を止めてもらう薬を処方してもらうのが一番ですね。
鼻水との正しい付き合い方
鼻をすすったり、喉に流したりしてしまうと、細菌やウィルスを取り込んでしまっているのと同じです。鼻が出るときには、きちんとかんで外に出しましょう。
しかし、鼻を強くかみすぎると、耳に鼻水が流れてしまうこともあるので要注意。中耳炎などの合併症を引き起こしやすいので、片方ずつ、少しずつ、かむことを覚えましょう。
鼻水が黄色や緑から、薄い色へ、そして透明になれば、風邪が治まったサインです。体調に応じて、鼻水は私たちの状態を伝えてくれているんですね。
鼻水が出たときは、ティッシュをそのまま捨ててしまうのではなく、少し確認してみてはいかがでしょうか。
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