スポーツやランニングのあと、足の甲が痛くなったり腫れたりしていませんか?
最初はあまり気にならない違和感だったのが、痛みに変わってなかなか治らないと、ちょっと不安になりますよね。「もしかして疲労骨折…?」と思う方も多いと思いますが、原因はそれだけではありません。
足の甲に痛みや腫れが出た場合、3つの原因が考えられます。どのような障害が考えられるのでしょうか?
足の甲が痛いときに考えられる3つの原因
足の甲を痛めたときは「疲労骨折」「リスフラン関節捻挫」「腱鞘炎(けんしょうえん)」の可能性があります。それぞれどのような特徴があるのか、確認してみましょう。
疲労骨折
疲労骨折は、運動による過度の負荷が、継続的に加わることで発症する怪我です。
強い衝撃によって突発的に骨折するわけではなく、小さな衝撃が繰り返し加わることでダメージが蓄積して発症します。
疲労骨折が起こりやすい場所は、人差し指と中指の中骨足と言われる箇所です(上図の赤丸部分)。ジャンプ動作などの繰り返しで足のアーチが低下すると、中骨足に過度のストレスがかかってダメージを受けます。
疲労骨折は患部が腫れることもあれば、見た目に変化がないことがありますが、この部分の骨を押して痛みがある場合は、疲労骨折の可能性があります。
初期の疲労骨折の場合、レントゲンを撮ってもはっきりとした骨折線がわからない場合もあります。「骨折じゃない」と整形外科で言われても、骨に痛みがある場合は、引き続き注意が必要です。
リスフラン関節捻挫
リスフラン関節捻挫とは、中足骨と足根骨をつないでいる関節内の靭帯に損傷が起こる障害です。(上図の赤丸部分)
ジャンプして着地するときのように、つま先立ちの状態で過度な負荷がかかったり、指を反らせて地面から強い衝撃を受けるときに起こりがちです。激しい動きによる衝撃や捻り動作がある、激しいスポーツをしている方に多い疾患です。
リスフラン関節捻挫は、安静にしていると痛みがありませんが、歩行や運動時に痛みが出ることが特徴です。
上の左図を見るとわかりやすいと思いますが、足のアーチの頂点に当たる部分がリスフラン関節です。ここがクッションのようにたわむことで、衝撃を吸収してくれています。
ですから、リスフラン関節捻挫でこの部分を痛めると、歩くときにアーチ部分が動くから痛むわけです。
歩くたびに関節部分が痛む場合は、リスフラン関節捻挫かもしれません。治療をしないで放置すると、捻挫が悪化して歩行困難になることもあるので、早めに病院に行った方がいいでしょう。
腱鞘炎(けんしょうえん)
足の甲には、長母趾伸筋腱(上図の赤線)や長趾伸筋腱(上図の黄線)などの腱鞘がありますが、長時間歩いたり負荷のかかる運動をすると、腱鞘を痛めて腱鞘炎(けんしょうえん)になることがあります。
特に多いのが、足に合わない靴を履いて長時間歩いたり走ったりすること。合わない靴を履いているとバランスが悪く、腱鞘や筋肉に変な力が入ってしまうからです。腱鞘炎だけでなく、筋肉痛を伴うこともあります。
また、靴ひもをきつく結ぶことで足の甲を圧迫して、腱を痛めることもあるので、長時間歩くときは紐の結び加減にも注意が必要です。
腱鞘炎や筋肉痛の場合は、ピンポイントで痛くなるより、面で痛くなる傾向があります。腫れることも多いので、湿布を貼って安静にするほうがいいでしょう。
足の甲を痛めた時の対処法
足の甲に痛みがあったり腫れているときは、安静にすることが大切です。というのも、痛みが強くないからといって運動を続けていると、症状が悪化することが多いからです。
足の甲が痛くなる原因は、運動や歩行などにより長時間負荷がかかって、ダメージが蓄積することです。原因が足の使いすぎや疲労なので、動かさないことが一番の対処法です。
足の甲に湿布を貼って様子をみることもあると思いますが、疲労骨折の場合は効果がありません。痛みが続くなら早めに整形外科を受診した方がいいでしょう。
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