都会の喧騒から離れ、森林の中でゆったり過ごす森林浴は、昔から愛されてきた健康法です。
「なんとなく体に良さそうだな・・・」と思われがちですが、森林浴は科学的にその健康効果が実証されており、医療の場でも実際に取り入れられているのをご存知でしょうか。
手軽にリフレッシュできて健康にもいいとなれば、知っておいて損はないでしょう。きっと試したくなる森林浴の健康効果を3つご紹介しましょう。
効果絶大!謎の「フィトンチッド」とは?
木々が多い茂った森林の中で深呼吸すると、空気が美味しい、リフレッシュできると感じたことはありませんか?
これは気のせいではなく、フィトンチッドという物質による影響です。フィトンチッドとは、木々が自らの身を守るために発している物質で、実はほかの生物を遠ざける能力のことです。
フィトンチッドには防腐・防菌・防虫・酸化防止・鎮静などの効果があり、私たちの生活の中で大活躍しています。例えば、防菌作用はまな板に、防虫作用はタンスに、など様々です。
木々がほかの生物を遠ざけるために出しているこのフィトンチッドは、私たちの生活の他、心身にも有益であることが分かっています。
効果①:ストレス減少
木々の中を歩行すると、高ぶった交感神経の働きが抑制され、気持ちが静かになっていきます。同時に、ストレスホルモン(コルチゾール)が減少し、精神を落ち着かせてくれます。
血圧や脈拍数も減少するため、落ち着いてリラックスした状態にできるのです。
効果②:癒し
ストレスが減少するだけではありません。副交感神経が活発になるため、安らいだ気持ちになっていきます。
スギやヒノキの香りは気分を集中させ、頭をスッキリさせてくれる効果があります。心が落ち着いた状態で発生するアルファ波が増加し、よりリラックスできるのも嬉しいですね。
緊張と疲労が緩和され、活気が満ちてくる心理的変化も見逃せません。
効果③:免疫機能向上
人間の免疫細胞であるナチュラルキラー細胞の活性化が見られます。このナチュラルキラー細胞は、がん細胞を死滅に追いやる働きをする細胞で、以前より注目を浴びてきました。
しかし、都市部ではナチュラルキラー細胞は増加しないということが分かっています。ストレスホルモンの分泌によって、ナチュラルキラー細胞の増殖が抑制されてしまうためです。
ストレスが軽減される森林浴は、ナチュラルキラー細胞にとって嬉しい環境なのです。森林浴で免疫力を高め、がんも予防できるのならば、森林浴を試してみたいものですね。
まとめ
ストレスを減少させて、心理的に癒されることにより、免疫細胞が活性化するという好循環を作り出す森林浴。現代社会で疲れ切った私たちにこそ、都市部を離れ、森林の中で過ごす時間を持つ必要があるようです。
森林浴はその効果が一か月続くと言われています。月に1度、森林浴を3、4時間ほど十分に楽しむためにも、自分の住んでいるところからそれほど離れていないエリアで森林浴スポットを探してみるといいかもしれません。
歩くことが好きな人は、トレッキングやハイキングを取り入れてみるのもおすすめです。
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