緑茶に含まれるカテキンや、赤ワインに含まれるポリフェノールという名前を、聞いたことありませんか?
これらはファイトケミカルという植物成分で、健康や美容に役立つとしてメディアでもよく取り上げられています。それは、その役割や効果が注目されているからなんですね。
では、ファイトケミカルにはどのような効果があるのでしょうか? 今回は、ファイトケミカルの効果を中心にご紹介します。
ファイトケミカルは人には作れない?
ファイトケミカルとは、野菜・果物・豆類・海藻など植物性の食品に含まれている化学物質の総称です。
植物の色素、香り、苦味、辛味などに含まれていて、見つかっていない成分も含めると1万種類以上あると言われています。
強い紫外線や虫などの害虫から身を守るために、植物が作り出した成分で、人や動物には作り出すことができません。つまり、ファイトケミカルの効果を活用するには、野菜類や果物を摂取するしかないんですね。
では、ファイトケミカルにはどのような効果があるのでしょうか?
ファイトケミカルに備わっている2つの効果とは?
強力な抗酸化作用
ファイトケミカルには、酸化を防ぐ抗酸化作用があります。
抗酸化作用のある食べ物では、β-カロチン・ビタミンC・ビタミンEを含む食品が有名ですが、ファイトケミカルにはより強力な抗酸化作用があるんですね。
特に、ファイトケミカルの一種であるポリフェノールやカロテノイドの抗酸化力は強力です。例えば、緑茶に含まれるカテキンには、ビタミンEの20倍の抗酸化力があります。
体内には抗酸化システムがあって、酸化するのを防ぐ機能がありますが、活性酸素が大量に発生すると、酸化を防止できなくなります。
酸化が進むと、細胞や遺伝子がダメージを受け、老化が早まってしまうので、ファイトケミカルを積極的に摂りたいところです。
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免疫力を増強する作用
そして、もう一つが免疫力を増強する作用です。
免疫力とは、病原菌や毒素など体内で生じた異物を排除して、身体を健康に保つ仕組みです。病気に対する抵抗力ということです。
ですから、免疫力が低下すると様々な病気を引き起こし、身体を老化させる原因になります。
ファイトケミカルには、この免疫力を増強する作用があり、
- 血液中の免疫細胞を増やす
- 免疫細胞が活性酸素から攻撃されることを防ぐ
- 免疫細胞を活性化させて、その働きをサポートする
という働きがあります。
免疫力を高めるファイトケミカルはこちら
- イソチオシアネート……キャベツ、にんにく、大根
- グルコシノレート……ブロッコリー、キャベツ、白菜、わさび
- システインスルホキシド……ニンニク、タマネギ、ネギ類
- β-グルカン……キノコ類
- オイゲノール……バナナ
- フコダイン……海藻類
ファイトケミカルの上手な摂り方とは?
ファイトケミカルを摂るために、野菜や海草類を食べるなら、生で食べるより加熱してスープで摂ることがおすすめです。
というのも、ファイトケミカルは食物繊維でできた細胞の中にあり、生食だと摂取しずらいからです。細胞内にあるファイトケミカルが外に出てこなくて、吸収率が悪いんですね。
熊本大学医学部微生物学教室の研究資料によると、生の搾り汁に比べると、野菜の茹で汁には数百倍の抗酸化力あることがわかっています。加熱した方が細胞膜が破れて、効率的にファイトケミカルを摂取できるわけです。
また、それぞれの栄養素はいろいろな種類を組み合わせると、効率的に摂取できるので、バランスよく食事に摂り入れるようにしましょう。
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