鼻を強くぶつけたわけでもないのに、頻繁に鼻血が出てしまい困っていませんか?
何気なく生活しているときに、突然鼻血が出ると驚きますよね。日常生活を送る上でも、鼻血が出ないか心配で憂鬱になることもあるでしょう。
では、鼻血が出やすいのは体質なのでしょうか? まずは原因を理解して、不快な鼻血と決別できるように対策していきましょう。
鼻血が出やすい場所は?
鼻の中でも特に鼻血が出やすい弱点の部分は、キーゼルバッハ部位と呼ばれる場所です。
キーゼルバッハ部位は鼻の入口からすぐの場所にあり、非常に多くの血管が発達しています。粘膜が薄く、血管がダメージを受けやすくなっていることが特徴です。
また、鼻の奥の方から鼻血が出てくることもあります。この場合、血管が比較的太いことや出血場所が確認しにくいため、止血が難しいのですが、あまり頻度は高くありません。
頻繁に鼻血が出る場合は一番考えられるのは、やはりキーゼルバッハ部位からの出血です。
鼻血が出るのはどんなとき?
子供の場合、鼻に指を入れてほじったときに、キーゼルバッハ部位の血管が破れてしまい鼻血を出すケースが非常に多いです。
寝ているときに鼻血が出る場合も、実は無意識のうちに鼻に指を入れてしまっていることがあります。
他には、思い切り鼻をかんだときに、血管に負担がかかって血管が破れてしまったり、何らかの原因で血圧が高くなり、血管が破れて鼻血がでることもあります。
鼻に何か物がぶつかって、強い外力が働いたときにもよく鼻血が出ます。
鼻血が出やすい原因とは?
体質的に鼻血が出やすい方というのは、実際にいらっしゃいます。しかし、一口に体質とは言っても、その体質にもまた原因があるのです。どのような原因があるのか、見てみましょう。
アレルギー性鼻炎
ハウスダストや花粉により、アレルギー性鼻炎になる人が増えています。アレルギー性鼻炎になると、鼻の粘膜が弱くなり、刺激が加わった時に出血しやすくなってしまいます。
何度も鼻をかんだり、鼻づまりの不快感から鼻に指を入れたりすることで、弱くなった粘膜に刺激が加わって鼻血が出やすくなってしまうのです。
鼻が乾燥している
普段から冷房や除湿機能を多用していたり、乾燥した部屋に長時間いると、鼻のなかの粘膜が乾燥して弱くなってしまいます。
また、冬の乾燥した時期も、鼻の粘膜は乾燥しやすくなっています。その結果、粘膜という盾を失った鼻の血管はダメージに弱くなり、鼻血が出やすくなります。
鼻血が出やすい持病がある
鼻血の原因として、出血しやすくなる病気が隠れている場合があります。
例えば、高血圧は血管に大きな負担がかかるので、出血が起こりやすくなります。他にも、糖尿病になると血管がもろくなるため、出血しやすくなるんですね。
また、血小板が減ったり働きが弱まったりした場合も、出血がなかなか止まらなくなることがあります。この場合、普通の人がほとんど気づかないような非常に小さな鼻血でも、血が止まずに鼻からあふれてしまいます。
血小板が減ったり働きが弱まる原因は、「肝硬変」「白血病」「血友病」「血小板減少性紫斑病」「腎不全」などの病気です。
他にも、持病に心臓病や糖尿病などがある方で、血栓ができにくくする薬(ワーファリンやアスピリンなど)を飲んでいる場合も、血が止まりにくくなります。
腫瘍の可能性も?
少し怖い話になってしまいますが、良性・悪性にかかわらず、腫瘍が存在すると鼻血が出やすくなることがあります。
この場合は、キーゼルバッハ部位ではなく、鼻の奥からの出血のことが多々あります。大した刺激もないのに、急に鼻の奥の方から鼻血が出てきた場合には要注意です。
出やすい鼻血と決別しよう!鼻血への対策3選
では、鼻血が出るのをなるべく防ぐにはどうしたらいいでしょうか? 普段の心がけ次第で簡単にできるものから、より強力に鼻血を防ぐことができる治療まで、3つ紹介させていただきます。
1.鼻の保湿
普段からの心がけ次第で、簡単にできることの1つは鼻の保湿が挙げられます。鼻の乾燥を防ぐことで粘膜を守って、鼻血がでにくい状態に保つのです。具体的な方法はこちら。
- 部屋を加湿する
- マスクの使用する
- 鼻をかむときに保湿ティッシュを使う
- できるだけ鼻をかみすぎない
風邪をひかないための対策に似ていますよね。適度に保湿をすることは、人間にとって大切なのです。
2.原因になっている疾患の治療
治療の難しい疾患もありますが、鼻血が出やすい要因となっている病気を治療できれば、もちろん鼻血は出にくくなります。
例えば、アレルギー性鼻炎の場合ならば、今はいい薬がたくさん出ています。点鼻薬を使ったり飲み薬をしっかり飲むことで、症状が軽減されて鼻血も出にくくなります。
高血圧や糖尿病などの場合は、普段の生活習慣に気を付けることはもちろん重要なのですが、鼻血を繰り返すレベルになると重症かしれません。
このような場合、自分だけで解決しようとせずに医療機関を受診した方がよいでしょう。いずれにせよ、原因となる疾患がある場合には、きちんと医療機関に相談するのが最良の解決につながります。
3.血管焼灼(けっかんしょうしゃく)
「繰り返し出る鼻血をとにかく止めたい…」という場合には、血管焼灼が最も有効な対策かもしれません。
若干の痛みを伴いますが、薬剤(硝酸銀)あるいはレーザーや電気を用いて、鼻の中の血管を焼いてしまうことで鼻血が出にくくなります。
保険適応で治療ができ、耳鼻科外来で即日治療が可能です。鼻血によって普段の生活にまで影響が出ているなら、検討してもいいのではないでしょうか。
鼻を守り鼻血を未然に防ぎましょう
鼻血が出やすい体質であっても、鼻に刺激を与えなければ、鼻血が出る頻度はグンと減らすことができます。鼻を乾燥させず、鼻の粘膜を守ることが最も簡単にできる対策です。
しかし、これらのことに気を付けていても鼻血がでてしまう、という場合は、危険な病気が潜んでいる可能性もあります。そういう場合は、早めに医療機関に相談することが重要です。
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