自律神経には交感神経と副交感神経があり、2つの神経がバランスよく働くことで、体の様々な機能を調節しています。しかし、過度なストレスにさらされると、自律神経の働きに異常が現れ、心身に悪影響を与えます。
体や心の状態を正常に保つためには、交感神経と副交感神経のバランスが大切ですが、そもそも交感神経と副交感神経はどのような働きをしているのでしょうか?
今回は、交感神経と副交感神経の作用とストレスによってどのような影響があるのか、ご紹介します。
交感神経と副交感神経の作用について
交感神経の作用について
交感神経が優位になるのは、運動で体を動かしているときや、ストレスを感じているときなど、心身が活動しているときです。
例えば、スポーツしているとき、自然と呼吸や心拍が早くなったり、汗をかいて温度調節しますよね。身体の状態に反応して、自動的に体の機能を正常に保ってくれるのが交感神経です。
また、恐怖や嫌悪などのストレスがあると、体の防御反応が起こり交感神経が優位になります。危機に対応するために、瞳孔が開いてたり、心拍数や呼吸が早くなります。
交感神経が優位なときの身体反応
- 瞳孔が広がる
- 唾液の分泌が減少する
- 呼吸が速くなる
- 心拍数が増える
- 血圧が上がる
- 胃腸の働きを抑える
- 消化液の分泌が減る
- 排尿が抑制される
副交感神経の作用について
一方、副交感神経が優位になるのは、リラックスして休息しているときや、ゆっくりと落ち着いているときです。
恐怖などのストレスがあるときは交感神経が活発に働きますが、その後は副交感神経が高まって、上昇した血圧・心拍・呼吸を元に戻します。
副交感神経が優位になると、基礎代謝は下がりエネルギー消費を抑えてくれます。一方で、筋肉はゆるんで血管が広がり、胃腸の働きや消化液の分泌が活発になります。
副交感神経が優位なときの身体反応
- 瞳孔が収縮する
- 呼吸がゆっくりになる
- 心拍数が減少する
- 血圧が下がる
- 胃腸の働きが活発になる
- 消化液の分泌が増える
- 膀胱が収縮する
このように交感神経と副交感神経は、身体の状態・環境・感情に応じた反応をして、バランスを取りながら健康を維持しているわけです。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れると…
では、交感神経と副交感神経のバランスが崩れるのは、どんなときでしょうか?
それは、仕事の重圧・対人関係・病気・不規則な生活習慣など、過度なストレスが継続的にかかったときです。この結果、様々な身体症状や精神症状が現れる自律神経失調症になります。
自律神経失調症は、症状が全身に現れます。これは、自律神経が全身に張り巡らされているからです。
また、自律神経はホルモン分泌とも関係しているので、ホルモン分泌に変調があるときにも発症しやすくなります。更年期障害や、妊娠・出産で女性が体調不良になるのはこのためです。
最近は過度なストレスが原因で、自律神経の働きが乱れ体調不要になる方が増えています。ストレスによって交感神経の優位が続き、自律神経が正常に反応しなくなっているからです。交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまっているわけです。
ストレスフルな日常を送っている方は、副交感神経の働きが弱くなっていることが原因かもしれません。心当たりがあれば、ストレスを発散して副交感神経を高める生活習慣を意識してみてくださいね。
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