日本人が亡くなる死因で第3位の脳梗塞。最近では高齢者だけでなく、50才以下でも発症する人が増えている危険な病気です。
脳梗塞は発症する前に、前兆となる初期症状が現れることがあります。脳梗塞で命を落とさないためには、症状を見分けて早期に対応することが大切です。
「あのときこうしておけば…」と後悔しないためにも、脳梗塞の前兆となる初期症状を確認して、すぐに対処できるようにしましょう!
脳梗塞とは?
動脈硬化などで脳の血管が塞がったり、小さな血の塊が脳の血管に詰まると、必要な酸素や栄養が脳に行き届かなくなります。その状態が長く続き脳細胞が次第に壊死して、様々な障害が起こる病気を「脳梗塞」と言います。
脳梗塞は高齢者に発症しやすい病気です。これは50才を過ぎると血管が老化して、動脈硬化が進行していくためです。
また、偏食・運動不足・タバコの吸い過ぎなど、不規則な生活習慣を続けていると、発症するリスクは高くなります。家系や遺伝によっては、若年性脳梗塞を発症する可能性もあるようです。
脳梗塞は加齢、生活習慣、遺伝など様々な条件が重なって発症するので、予防することが難しいんですね。命を落としたり重い障害が残ることもあるので、症状が現れたときに、正しく対処することが大事になります。
では、脳梗塞を発症すると、どのような症状が現れるのでしょうか?
脳梗塞の前兆になる初期症状とは?
脳梗塞を発症するとき、前兆となる症状を伴うことがあります。脳梗塞の初期症状になるので、チェックしましょう。
- 足がふらついて歩きにくい
- 体の片側に麻痺やしびれがある
- ろれつが回らない
- 相手の言っている内容が理解できない
- めまいで真っ直ぐに歩くことができない
- 人や物が二重に見える
- 片方の目が見づらい
このような症状が現れたなら、脳梗塞かもしれません。すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
また、脳梗塞の初期症状が現れてあと、すぐに消える場合がありますが、これを一過性脳虚血発作(TIA)と言います。
一過性脳虚血発作の場合、症状は数分程度で消えてしまいますが、脳梗塞を発症するリスクが極めて高い状態です。3ヶ月以内で約20%の人が脳梗塞になることがわかっています。
「すぐに症状が消えたから、もう大丈夫だろう…」と安心しないで、早めに病院で診察を受けた方がいいでしょう。
FASTテストで確認しよう!
画像引用:循環器病情報サービス
脳梗塞の症状が現れても、素人判断で救急車を読んでいいのか、迷う場合がありますよね。そんなときのチェック方法に「FAST」があります。
「FAST」は脳梗塞が疑われる人に行うもので、米国脳卒中協会が推奨しているテストです。具体的な方法はこちらです。
F・・・顔の麻痺を確認する(FACE)
顔の片側が下がったり歪みがあるなど、顔に麻痺が出ているか確認する。笑顔がうまく作れない場合は、脳梗塞の疑いがあります。
A・・・腕の麻痺を確認する(ARM)
手のひらを上にした状態でキープができるかどうか、腕の麻痺を確認します。片腕に力が入らない場合は脳梗塞の疑いがあります。
S・・・言葉の障害を確認する(SPEECH)
短い文章が言えるかどうか、言葉の障害を確認します。言葉がなかなか出てこなかったり、ろれつが回らない場合は脳梗塞の疑いがあります。
T・・・発症時刻を確認して救急車を呼ぶ(TIME)
もし、上記の症状が一つでも当てはまれば、迷わず救急車を呼びましょう。発見時間を確認するのは、発症後の時間によって治療法が変わってくるからです。
なぜ、早期に対処することが大切なのか?
脳梗塞の症状が現れた時に、素早い対処が必要なのは、発見が早ければ早いほど治療の幅が広がり、脳のダメージを最小限に抑えることができるからです。
脳梗塞は治療の時間が遅れるほど、命を落とす可能性が高くなる病気ですし、障害も重くなりがちです。その後の経過やリハビリにも、影響を与えてしまうんですね。
ですから、脳梗塞の前兆となる初期症状に気がついたときは、すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
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